2011年9月8日木曜日

Review : LUST FOR YOUTH - SOLAR FLARE



artist : LUST FOR YOUTH
title : SOLAR FLARE
format : LP
label : AVANT! (Italy) AV!010 2011

とにかくジャケが格好いい。モノクロ写真を無作為に千切って並べ替えたような、80年代アンダーグラウンドを思わせるような様相。それだけでも充分なのだが、困った事にサウンドも格好いい。ジャンルで括ってしまえばダークシンセウェーブ系になるのだが、全体的にノイズエクスペリメンタル的な印象を受ける。メロディアスでありながらもそのシンセサウンドは徹底して重々しく時折破壊的であり、ビートが重厚さを増す部分もありインダストリアルノイズ好きにもたまらない展開である。愁いを帯びたアブストラクトなシンセウェーブサウンドは徹底して歪みまくり、聞き込むにつれ夢心地にも似た陶酔感に溺れていく。不鮮明さ包まれたノスタルジックなシンセサウンドによって現実感を徐々に麻痺させられ,時間感覚さえも喪失していくようだ。
何よりも全体を音楽として纏め上げようとせず、シンセサウンドの醸し出す重厚な世界観を主体にした音響作品に仕上げているところに好感を持てる。スウェーデンを起点とした若い男女のデュオであるようだが、詳細や彼らのバックボーンに関する情報はあまり露出していないようだ。偶然見かけたフライヤーではハーシュノイズのSewer Electionとも共演をしているようなので、少なからずともノイズシーンとの関わりはありそうである。今後もCold Caveのようなポップ路線に走らず、このまま重厚シンセサウンドで突き進んでもらいたい。

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